研究会・セミナー

■セミナー開催  2025年8月20日(水) New
 研究委員会名を、日本科学者会議 ・気候変動対策研究委員会(通称 :JSA-Climate ACT )に改名してから初めての対面セミナーを京都で開催した。オンライン参加者を含め8割強のメンバーが参加した。場所は龍谷大学・大宮学舎東黌 207 教室、開催時間は13時から17時の4時間。

下記7件の発表と討論が行われた。
<発表テーマと発表者>
・「気候問題にかこつけて原発にしがみつく本当の狙いとは」(宗川)
・「地方自治体の地球温暖化対策の仕事」(飯岡)
・「たかしまの風力発電計画について考えてみるシンポジウム」を開催して(福井)
・「都道府県、市町村の排出ゼロに向けたエネルギー起源CO2排出削減推計」
                                  (歌川)
・「天然水素について-最新の動向」(佐藤)
・「人類古代史から見るサピエンス歴史の負の遺産について」(後藤)
・「日本の夏の高温化と気候変動について」(河野)

セミナー終了後、花の舞駅京都駅中央口店にて懇親会を行った。
                                  <佐藤>

会場の龍谷大学・大宮学舎東黌

研究会開催 2024年8月14日(水)~15日(木)
 JSA-ACT独自企画の夏季研究会を開催した。1日目は、滋賀県伊吹町にある「道の駅 伊吹の里・殉彩の森」会議室にてセミナーを開催した。セミナー終了後、伊吹山登山口にある「ペンションいぶき」に移動し、一泊した。夜に懇親会。2日目は伊吹町メガソーラーと高時川水系の見学会を実施した。
1.セミナー 14日13時から16時
 今年11月30日に開催される、JSA第25回総合学術研究集会分科会に向けて、研究集会での発表予定者(JSA-ACTメンバーと招待参加者)による事前討論会として行われた。司会は河野が行った。尚、時間の関係で予定していた全員の議論はできなかった。
<発表テーマと発表者 >
・滋賀県における省エネ・スマートコミュニティ推進について(左近)
・わが町の巨大風力発電計画-反対運動かチャンスか(福井)
・再エネと福祉の相乗効果 ―社会受容性を高める市民共同発電事業―(今井)
・化学者の気候変動対策への参加(佐藤)
・インターネット学習サイトの紹介(西山)

2.見学会 15日午前
 討議翌日に、参加者有志で周辺のエネルギー施設の見学を行った。見学したのは 伊吹町メガソーラーと高時川水系農業用水路小水力発電である。
 滋賀県米原市にあった住友大阪セメント伊吹工場が2003年に閉鎖された。その跡地は東京都港区に事務所を置く投資会社に販売されたようで、跡地のうち約267,000m2を使う太陽光発電設置工事が行なわれている。経済産業省の再生可能エネルギー電力固定価格買取制度の事業計画認定情報の掲載にはなく、経済産業大臣の認定はまだと見られる。仮に10m2に1kWの太陽光をほぼ切れ目なく設置した場合、設備容量約26,700kW、最近のメガソーラーの平均設備利用率約16%を適用すると年間発電量3,740万kWh。仮に入札価格が2023年度の入札上限額9.28〜9.5円/kWhとすると年間売電収入約3.5億円、20年間で約70億円になる。このメガソーラーのある米原市において2024年3月までに運転開始した太陽光発電すべての合計が34,305kWなので、市の太陽光を2倍にする規模とも言える。地元でこの規模を一気に設置することは考えにくいが、地域主体が分散型でこの規模を築いていけば、その売電収入も地元で得られ、地域発展に寄与できたと考えることができる。
 次は滋賀県長浜市の湖北土地改良区が持つマイクロ水力の見学である。経済産業省の固定価格買取制度の情報では10kWと26kWの発電所が登録されている。高時川から引いた用水路のマイクロ水力で、滋賀県の支援も受けて設置されている。ただし残念ながらこの時期は修理中で発電機は見られなかった。


対照的な再エネ設備で、地域の持続可能な発展、地域に役立つ(「地域に裨益する」などという)再エネによる地域脱炭素、普及制度で乱開発を防ぎかつ地元主体を中心に設置する制度仕組みの必要性を考えさせられたと言える。            
                               <河野・歌川>